神奈川県においては、昨日1月5日に過去最多となる622人が新型コロナウイルスに感染したことが確認された。
1月4日の時点で、入院患者数は673人、自宅やホテルなどで療養している人は2,738人となっている。県内ですぐに使える重症患者用の病床は88床で、このうち79床が使用されており、使用率はおよそ89.8%。軽症や中等症用のすぐに使える病床は750床で、このうち594床が使用されており、使用率は79%あまりとなっている。すでに、医療現場は危機的な状況の中で対応に追われており、このままでは、神奈川県の医療体制は崩壊し、救える命も救えなくなる。
このような状況を踏まえ、以下、緊急要望する。
 

 
1.新たに20時までの営業時間短縮要請を行うにあたっては、22時までの要請の成果が不十分であることを踏まえ、より実効性のある取り組みを行うこと。
 
2.緊急事態宣言を受け、神奈川県が事業者に休業や時間短縮を要請する場合には、対象事業者への協力金を支給するだけでなく、卸業や運送業など関連する業者に関する支援策も検討すること。
 
3.現在、国は特措法及び感染症法の改正を検討しているが、改正に当たっては、自宅・宿泊療養に関する法整備を行うよう国に要請を行うこと。
 
4.神奈川県発熱等診療予約センターの業務や新規感染者の入院調整の業務が、感染拡大や季節性疾病の流行に伴い多忙を極めていることから、体制の拡充を図ること。
 
5.福祉施設等でのクラスター発生を防止するため、現場において PCR等の検査が行なえるよう、体制を整備すること。また、施設内のゾーニングを徹底するなど感染防止対策の充実を図ること。
 
6.感染症回復後の転院(いわゆる下り搬送)を受け入れる医療機関や、感染症発症前に入所していた介護施設での受け入れを確保するため、「退院基準を満たした患者から他者への感染はなく安全であること」等を医療や介護関係者に向け、統一的にわかりやすく示すこと。また、受け入れ機関には診療報酬や介護報酬を含め、さらなるインセンティブを講じること。
 
7.新型コロナウイルス感染症の影響により、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少している事業者に対し「最長1年間、県税の徴収の猶予を受けることができる」としているが、感染拡大が続いていることから、猶予期間を延長すること。また、国に対しても納税の猶予期間の延長を求めること。
 
8.持続化給付金、家賃支援給付金を再度実行し、さらなる給付を迅速に行うよう国に要望すること。
 
9.テレワークのさらなる拡大を図るため、県及び県内自治体における取組の推進はもとより、商工会議所などの経済団体や県内企業に改めてテレワークの推進を強く要望するとともに、さらなる技術的支援を行うこと。
 
10.新型コロナウイルス感染症の拡大により自殺者数が増加していることから、精神保健の専門家団体の協力のもと、県民のメンタルケアの充実を図ること。
 

以上 

 
 
 

国は5月4日、緊急事態宣言を5月末まで延長することを決定した。特に事業者への支援については休業要請が継続されることから、これまで以上のスピード感を持った取り組みを講じていくことが必要である。
 また、場所によっては「3密」が懸念される状況が依然生じており、クラスター感染予防の意味からも肌理細やかな対策が求められるところである。

 
よって、以下要望する。
 
1.県が実施する協力金第2弾については、すでに賃貸契約を結ぶなどして今年の開業を予定していた事業者も支援対象に含めるとともに、6月初旬の手続き開始時期を可能な限り早め、迅速な支給に努めること。また4月補正予算で措置した第1弾を迅速に実行するとともに、再起のためのデリバリー販売やI T技術導入等の支援を積極的に行うこと。
 
2.スーパーマーケットや遊技施設など密集状態が生じている場所については、業界団体とも協力し適切な対策を講じること。また、屋外において人が集まっている場所(釣り場やバーベキュー場等)についても、市町村等と協力して対策を講じること。
 
3.学校の休校延長にあたり、家庭における児童・生徒への虐待や生活上の変化を早期に発見するため、宿題提出等で登校した児童・生徒の状況を担任教諭が確認するとともに、登校しなかった児童・生徒については家庭訪問等により状況把握をすること。また、家庭での学習支援にもより積極的に取り組むこと。
 
4.医療関係者の感染リスクを極力回避するため、防護服やマスク等の提供体制をより強固にすること。
 
5.長引く休業や自粛が家計を圧迫し、介護施設利用者の自己負担に対し家族の援助が困難になっている事例が報告されている。利用料の減免については市町村が減収を補てんする制度があるものの、今回の新型コロナ禍では未だ実施に至っていない。したがって、県として国に対し、保険料だけではなく利用料の減免に対しても早期に財政支援を行うよう強く要望すること。
 
6.県として、医療や介護の崩壊や県民生活の困窮に歯止めをかけるための支援に一層力を入れるとともに、公費で賄えない分野に支援を行き届かせるため、広く県民から寄付を募り、その受け皿となる基金を迅速に造成し活用を図ること。
 
7.緊急事態宣言に基づく休業や外出自粛の長期化により県内経済は疲弊し、県民の不安も頂点に達しつつある。緊急事態措置の終結を望む声も強まる中、自粛要請の継続及び段階的解除について、県として確かなデータに基づくガイドラインを示すこと。
 
以上

 


 
 
 

【経済対策】

 
① 新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金を申請した中小企業及び個人事業主には申請後可及的速やかに支給を行うこと。
② 休業を要請したネットカフェの利用者や離職を余儀なくされた方々が居住に困難を来すことを防ぐため、県営住宅の空き住戸を積極的に活用すること。
③ 住居確保給付金の対象範囲が拡大されたことを受け、減収を余儀なくされたアーティストなどフリーランスの方々が利用できるよう、「求職活動等要件」緩和について市町村への周知を徹底すること。
④ 休業要請の対象でない事業所等に対してもテレワークや時短などで自粛に協力して頂くとともに、それに合わせた支援策等を講じること。
⑤ 経営悪化に苦しむ事業者へのさらなる支援の一環として、新規借入や借り換えの際に無利子・無担保の融資を実施できるよう、利子補給の制度を構築すること。
⑥ 緊急融資の申請が急増していることから、手続きを簡素化し、郵送申請や電子申請ができるようにすること。また、融資実行の迅速化を図ること。
⑦ 社会福祉協議会が行う緊急小口資金等の特例貸付について、さらなる条件の緩和や交付額の拡大、交付日までの期間短縮等が図れるよう、また、受付業務の混雑を緩和するため事務を効率化できるよう、県として支援すること。
⑧ 給食停止の影響を受けている納入業者や生産者に対して支援策を講じること。
⑨ 医療従事者や介護従事者、バス運転手等の公共交通従事者、生活必需品の生産・物流・販売等、緊急時も勤務を求められる“エッセンシャルワーカー”の罹患を防止するため、ガイドラインの策定等を含め早急に対策を講じること。
 

【医療対策】

 
① 「神奈川モデル」において中等症患者を受け入れる「重点医療機関」や重症者に対応する医療機関の整備については、人材及び資機材の配備を十分に行い、他の疾病患者にも配慮した体制を確保すること。
② 軽症や無症状者向けの宿泊施設に関しては、急激に悪化することがあることから、酸素飽和度のモニタリングが出来るパルスオキシメーターを十分配備すること。
③ 感染の疑いがある患者が受診に来ることを踏まえ、クリニック等の地域医療施設に対し、エプロン・マスク・ゴーグル・フェイスシールド・手袋などの配布または費用の助成をすること。
④ 医療機関におけるオンライン診療を推進するため県内状況を把握し、補助制度創設も踏まえ迅速に取り組むこと。
⑤ 医師会等と連携し、新型コロナウイルス感染症専用の発熱専門外来の整備を速やかに推進すること。
⑥ 感染症状が重篤化する恐れのある難病患者や長期慢性疾患患者、妊婦に対し、感染に関する正確な情報提供を行うとともに、PCR検査や感染した場合の受け入れ・搬送・治療についての体制を確立すること。
⑦ 院内感染が発生し、その広がりが懸念される医療機関に対しては、県は関係者のPCR検査の早期実施や転院先の確保を図ること。
⑧ 医療従事者の抗体検査を実施し、抗体の有無によって業務内容を調整できるように支援すること。
⑨ 保健福祉事務所の人員及び予算を確保し、新型コロナウイルス感染症対策の強固な基盤を作ること。
 

【その他】

 
① 新型コロナウイルス感染症に関する支援策や問い合わせ先等の周知を徹底することはもとより、相談体制の拡充を図ること。
② 感染した遺体の搬送・火葬には細心の注意を促し、葬祭関連業者や死因究明等にたずさわる警察官の感染予防対策(手袋、ゴーグル、タイベックススーツ等の防護服の支給)を講じること。
③ 介護事業所において利用者や職員の感染によりサービス等が中止される事態に備え、利用者の受け皿を市町村と連携して確保すること。
④ ICTの活用により家庭学習を含め遠隔で教育を受けられる環境を整えるため、小中学生に配布するタブレットの購入を早急に進めること。
⑤ 保育園の園児や保育士等への感染を防止するため、家庭での保育が可能な場合はできる限り登園を控えていただくよう周知を徹底すること。
⑥ 相談窓口の充実やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の拡充を図るなど、休校中、休校後の児童生徒の支援体制を強化すること。
 
以上